カシミア2020年01月11日

チーゼル
セーターやカーディガンは、メリノウールも良いが、カシミアの方が軽くてありがたい。丸善のカーディガンを大事に着ていたのに、虫に食われて穴だらけ。その前に肘が磨り減ったので、スエードのエルボー・パッチを当てようとしていた矢先の悲劇だった。
何年か前にバーゲンセールで手に入れたBrooks Brothersのカーディガンは、スコットランド製で3-plyとある。3本捻りのことで、厚みが出る。
最近のカシミアはかなり安いものがあり、モンゴル産が出回っているようだ。
セーターもそうだが、コートでも、触ってみると、良いものはぬめり感があり、毛足が長いために毛玉が出来にくい。
本場の産地はカシミール地方のカシミヤ山羊だろうけど、毛糸に紡ぎ、布地に織るのは英国かイタリアが上質だ。何が上質なのかと言うと、どうも古い織り機を使用しているからのようだ。古い織り機ほど織りが緩いが低速だ。当然生産性が上がらない。従って高くなる。仕方がないようだ。
カシミア生地の起毛にも、スチール製の棘よりも、天然の物が上質で風合いが良いのだそうだ。天然の起毛材にマツムシソウ科の植物を使うのを、以前テレビで見たことがあった。イタリアの生地屋だった。
日本のマツムシソウは高山植物でマツムシソウ属、湯の丸高原などで夏のキャンプの時に見た事があるが、起毛に使うのはナベナ属と言うそうだ。
ーーーWikipedia マツムシソウ科
「花序の中にも鱗片状またはとげ状の苞葉のあるものがある。オニナベナ(チーゼル、ラシャカキグサ)はこれを利用して、古くから織物の起毛用に使われ、現在でもカシミアなどの柔らかい風合いを出すために使われる。」
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通勤電車で、カシミアのコートを見る季節だ。上質なカシミアは艶があるのですぐ分かる。恐ろしいほどだ。
カシミアも良いが、キャメルはもっと良い。今はもう無い、横浜・元町の信濃屋で試着した事があった。これが軽いのだ。
贅沢にはきりがない