赤坂迎賓館2017年02月14日

赤坂迎賓館
家内と赤坂迎賓館へ。今日まで「朝日の間」が一般公開。以後,2年間の修復に入るとのこと。和風別館は抽選で当たらないと見学できないが,本館は並べば見学ができる。
40分くらい並んだだろうか。人数の割には早かったが,手荷物検査に手間取っていた。二列に分かれていたが,X線透視装置が一台しかなく,自分が並んだ方はカゴにバッグの中身を出して検査していたので,エックス線の列に並べばもっと早かった。一台しかないなら,全部それで検査した方がずっと早い。何やってんだか,アスロック。
本館は事前に「ぶらぶら美術館博物館」の放送を見ていたので,実物を見ると,なるほど手が込んでいることが分かる。天井画は放送でも紹介していたように,フランスの画家が描いたもので,奇妙なちぐはぐ感がある。説明のボランティアさんに聞くと,天井画はキャンバスに描かれているそうで,天井の板の縦筋がシミを作っているようだった。単眼鏡で覗くと一部破れているところもある。100年の時を経て相当劣化しているようだ。
浮き彫りは石膏だそうで,それなりに手が込んでいて見応えがある。この時代は,朝香宮邸もそうだが,東宮ともなれば,金の掛け方が尋常ではない。これを思うと,今の皇室は非常に質素だと思える。
中を見学し終わると,庭を見学できる。

午後一時半に見学おわり。お腹が空いたので,四ツ谷駅のatreの中にある「アントニオ」でランチ。南青山の店には遥か昔にピッツァを食べに行ったことがある。この店は夜にならないとピッツァはないとのこと。まずスプマンテをいただく。フォカッチャのローストビーフ・サンドイッチと,きのこのリゾットをシェアした。デザートはティラミスを二人でシェアして,カプチーノで。カロリーからすれば,いつもの二食ぶんはありそうだ。(^_^;)

赤坂離宮が全く使われていなかった時期に,この横の道は駐車可だった。新宿の夜学に通っていた時,学校には駐車場がないので,ここに停めてから通っていたことがあった。懐かしい。

「ラスコー展」2017年01月13日

壁画のレプリカ
家内と,科博の「ラスコー展」に行ってきました。

レプリカの壁画でも(本物は持ってこれないし,現在は保護のため閉鎖されている),なかなか良い展示でした。

オーバーラップして共存していたネアンデルタール人には,このような芸術的な素養はなかったそうで,クロマニョン人に特有な能力だったようです。それは当然,我々にも伝わっているということ。そもそもアフリカを出発したご先祖が持っていた能力。展示の最後に,「我々はアフリカからの移民によって繁栄した」と,現在の移民問題を皮肉っているのが面白かった。

最も感動したのは,骨から「針」や槍の先になる骨器を掘り出したという展示だった。フリントを鋭く欠いて,その先端で,掘り出す輪郭を何度もなぞってくり抜くという作業も,実験考古学の手法で行ったビデオを流していた。そうか,そうやったのかと感心することが多々あった。古代人の知恵は,現在の我々と遜色ない。もし,クロマニョン人が今生まれても,我々と同じ人生を歩めるだろうことは疑いがない。我々はほぼ3万年前から変わっていないのかもしれない。

写真を撮って良いところもあり,投槍器に鳥の線刻があったので撮影したら,「そこはダメです!」と叱られてしまった。そうだったのか。「すぐ消します」と言って,消し忘れていました。(^_^;)

科博のレストランで昼食。なかなか美味しかった。

帰り道,西洋美術館の庭を突っ切って行ったら,梅が咲いていた。女性が二人,梅に来た鳥を見て「あ,梅にウグイス!」と言っていたので「これはメジロです」とつい・・女性は勉強になったと。黙っていられない性格なもので。

横須賀美術館の「川田祐子展」へ2016年07月15日

雨の横須賀美術館
いつも家庭菜園でできた野菜や果物を頂戴するH夫妻と四人で,横須賀美術館の「川田祐子展」へ。川田さんは,家内とH夫人の,お茶の先生の娘さん。そんな縁で,4年前も個展の鑑賞を同美術館でしたことがありました。非常に緻密な絵で,そばに寄って見ると,スクラッチと細い筆でのハッチングが施されていて,縦横2m以上もあるような(何号だか素人なのでわからない・・)大きな絵はどれほど手間が掛かるか,気が遠くなるような絵でした。
展覧会の案内
http://www.yokosuka-moa.jp/exhibit/josetu/sho1602.html
詳細なアップ写真がありました。
http://blog.goo.ne.jp/te-reo/e/049a9844e515964c91e9af5c237a3359
http://blog.goo.ne.jp/te-reo/e/9958a71928dd1e80fb644251e225f4a9
雲をイメージした作品や,植物の茎をミクロトームで削いで顕微鏡で見たようなようなものや,変形菌(粘菌)かと見紛うものや,なんとも不思議な奥行きを感じる作品など,空いていてゆったり鑑賞できました。
昼食を四人で美術館のレストランで。昆虫展も併設していたのですが,そちらは鑑賞せず。そのコラボで提供されたドルチェには,昆虫も模したグミや鉱物を模したゼリーが入ったジェラートで,これはこれで美味しかった。(^_^)
写真:外は雨。
帰りは豪雨。H夫妻の車での送迎だったので,大助かり。

丹波コレクション展2016年07月05日

丹波コレクション
県立歴史博物館が改修のため休館中なので,横浜市歴史博物館で浮世絵「丹波コレクション」が展示されていて,家内と鑑賞してきました。
6000点余のコレクションの中から64点が展示されていました。

http://www.rekihaku.city.yokohama.jp/koudou/see/kikakuten/2016/ukiyoetsuushi/

よく知っている絵もあり,解説も詳しくて楽しめました。なによりも空いているのが嬉しい。じっくり見ることができます。が,ガラス越しなので細部は無理。後で図録で確認。
ありがたいのは図録。¥850!(^_^)
丹波恒夫氏は貿易商だったそうで,半世紀前に収集した浮世絵は,初期から明治期まで網羅的なコレクションだが,春画は全くないそうで,氏の人柄がわかる。
日本橋・魚河岸や高輪,新吉原の賑わいや,両国の花火など,当時の群衆の熱気とざわめきが伝わってくるようで魅了される。実際にどんなものだったのか,当時の「江戸」というものを見てみたいという激しい衝動にかられる。

バレー「マノン」2016年04月29日

オーレリー・デュポン
録画していたマスネのバレー「マノン」を鑑賞。
パリ・オペラ座のエトワール,オーレリー・デュポンの引退公演。
出演者のことは何も知らないし,マノンも今まで見たことがなかったけど,バレーは子供の頃から興味があったので録画しておいたもの。
物語は長編小説の「マノン・レスコー」を元にしたもので,調べてみると,原作とは微妙に異なる(小説では砂漠でマノンが死んでしまうが,バレーでは沼地とか)。
内容は主な舞台が娼館だったり,小悪魔的な主人公の美少女マノンは,この時代に流行した「ファム・ファタル」で,純真な青年が振り回されるというような話。

バレーはやはりオペラ座での公演だし,出演者のほとんどが欧州人なので,不自然な感じが全くない。非常に美しい踊りに,つい一緒に拍手してしまう。
日本でもバレーは盛んに上演されているけど,日本のバレー団が全員日本人で,西洋のバレーを踊ることが決して悪いとは言わないけれど,どうも違和感があって,なかなか難しいものがある。
例えば,歌舞伎や狂言を全員欧州人が演じている姿を想像してみると良い。それはそれで嬉しいけど。
そうはいっても,日本人が海外のバレー団ではかなり活躍している。女性だけでも,こんなにいる。

世界で「プリンシパル」になった日本人
・吉田都(1965年:英国ロイヤル)
・竹島由美子(1970年:オランダ国立/ドレスデンゼンパーオーパー)
・佐久間奈緒(1976年:英国バーミンガム・ロイヤル)
・中村祥子(1980年:ベルリン国立/ハンガリー国立)
・木田真理子(1984年:スウェーデン王立)
・加治屋 百合子(1984年:ヒューストン)
・倉永美沙(1987年:北米・ボストン・バレエ団)
・落合リザ(1988年:モスクワ・シティバレエ)
・日高世菜 (1991年:ルーマニア・ブカレスト国立歌劇場)
・近藤亜香(1991年:オーストラリアン)
※(生年:バレエ団名)
http://matome.naver.jp/odai/2142339735187859801
日本は実はバレー大国なのだ。

例えば歌舞伎では,外国人が活躍することはない(のだと思う)が,逆はある。
おそらく,欧州では国境が地続きで,「外国人」に対しては寛容なところがあるように思う。ユダヤ人に対してそうでなかった歴史は(今もか)あるにはあるけれど,古代ローマもそうだったように,外国人を受け入れる素地があるのだろう。特に芸術の分野では。

それはさておき,舞台では,罪を犯したマノンはアメリカの監獄に送りこまれるが,看守長はマノンの美しさに惹かれ,己のものにしようとし,マノンに無理やりフェ◯◯オさせるというシーンまである。この下品さには多少うんざりする。小説がそうなのかは知らないのだけれど。
一方,例えば歌舞伎ではどうだろうか。助六とか,吉原が舞台の演目はあるけど,露骨な性描写のようなものは無いのではなかろうか。これもフランスの文化なのか。
しかし,日本では浮世絵の春画や枕絵があり,この点,面白いようにも思う。

男性でも女性でも,バレーダンサーの肉体というものは,本当に美しい。特に均整が取れていて,小顔で,手足の長い欧州人ならではかもしれないが。
バレーは,あたかも体重がないかのように踊る。そのために必要な筋肉が必要なだけしか付いていないからだろうか。
マノン役のデュポンは小柄だが筋肉質で,42歳での引退は惜しい。監督が辞めるので後任に2年前に指名されていたようで,引退は本意ではないとインタビューでも述べていた。

幕が下り,カーテンコールで紙吹雪が舞う時に,インタビューでも泣いてしまうか,ぐっと堪えられるか,さぁ,どちらでしょうと述べていたが,やはり涙ぐんでいたのが見て取れた。
エトワールの引退に相応しく,紙吹雪も星型に切り抜いたもので,偶然,引退するエトワールの胸に一つ張り付いていた。

静嘉堂文庫美術館と等々力渓谷散歩2015年12月04日

静嘉堂文庫美術館
二子玉川にある静嘉堂文庫美術館に家内と行ってきました。
http://www.seikado.or.jp
リニューアルオープン展第一弾と称しての展示。
http://www.seikado.or.jp/exhibition/constitution.html

目玉は修復を終えた国宝 俵屋宗達「源氏物語関屋・澪標図屏風」ですが,他に光琳,抱一,其一,乾山,仁清,羊遊斎,文晁などなど,逸品ばかり。入り口には常設でしょうか,国宝の窯変天目茶碗など。
作品を単眼鏡で細部を見ると,抱一の超絶な筆使いや,羊遊斎の印籠の超微細な細工に驚きました。

帰りに等々力まで足を伸ばして,前に歩いたことがある家内の案内で等々力渓谷を散策しました。雨の後で道に水が浸み出していましたが,一部に紅葉もありで,私は初めてだったので,楽しめました。
3号横穴は墓だそうで,良く保存されています。
帰りには流れにカルガモが4羽いました。

そういえば,美術館に行く前に鴨南蛮を食べたのでした。(^_^;) 合鴨ですけどね。

「JAPAN」 ロバート・ブルーム画集2015年09月04日

飴屋
明治中期に来日した米国人画家,ロバート・ブルームの画集が届きました。
中でも有名な「飴屋」は,シンコ細工ではと思ったら,確かに飴細工屋でした。

拡大してみると,飴細工師は眼鏡をかけています。明治中期にはもうこうなっていたのですね。

興味深いのは,巻末の,「飴屋の謎 ブルームとワーグマンの作品をめぐって 岡部昌幸」という一文。

全く同じ構図のチャールズ・ワーグマンの絵が,東京国立博物館に所蔵されているのだそうです。謎というのは,ブルームは「飴屋」を明治24-25年に描いたことがわかっている。しかし,ワーグマンは明治24年の2月8日に亡くなっている。しかも,亡くなるまでの3年間は精神病を患っていて作品を描いていないことがわかっているのだそうだ。
ワーグマンの絵は,ブルームの絵と比べて明らかに稚拙で,ブルームの絵は緻密で完璧。これはどうしたことなのだろうか。
実に不思議。

想像するに,おそらく同じ構図の写真が存在していて,ワーグマンもブルームもそれを見て描いたのではないか。この写真が見つかればわかるかもしれない・・というもの。さて,どうなのか・・

*緻密に描かれたパステル画は素晴らしい。当時のブルームの眼は,今の私たちの眼とほとんど同じだったのではと思います。やっと彼らの時代に追いついたような,奇妙な気持ちになります。

舟越保武彫刻展2015年08月28日

聖セシリア
練馬美術館の「舟越保武彫刻展」を家内と鑑賞してきました。
息子の船越桂の彫刻展も,以前,東京都現代美術館で鑑賞したことがありました。2003年のことだったと思います。
息子の桂は,木彫が中心ですが,父は石像とブロンズが主。テレビでも桂は「やり直しのきかない石彫はひるむ」と述べていましたが,その難しさは想像以上のものだと思いました。
作品は,変遷を辿ると,晩年にはキリスト教,カトリックの聖人,聖女に力を注いだことがよくわかります。保武の父親も熱心なカトリック信者だったそうで,影響が如実です。
脳梗塞を患ってからは,左手で彫塑を行ったそうで,その執念と迫力には圧倒されます。
長崎の26聖人の像は,実物を現地で観ましたので,感動を新たにしました。
ハワイでハンセン病患者の世話をし,自らも発病して,ライ結節だらけになった姿のダミアン神父(1889年没)の彫像には衝撃を受けます。自らも発症したことで,患者の側に立てたことを喜んでいるようにも見えました。
他にも多くの感動的な作品がありますが,島原の乱の農民兵を刻んだ「原の城」,聖セシリア,聖クララ,聖ベロニカ,聖マリア・マグダレナ,などに感銘を覚えました。
特に,聖セシリアの静謐な美しさには心を打たれました。
http://www.neribun.or.jp/web/01_event/d_museum.cgi?id=10249

乾山 見参!2015年07月04日

乾山展
六本木のサントリー美術館での「乾山展」を鑑賞しました。
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2015_3/index.html

乾山の作品がこれだけ一堂に会するのは初めてだろうと思う。知らないだけかもしれませんが。
時代背景から,後継者に至る歴史がよく理解できました。
乾山は,デルフト焼からも影響を受けたものを作っているのが面白かったですねぇ。当時の安南(ヴェトナム)に発注した器も展示されていて,朱印船貿易が,まるで東インド会社の様に活躍していた様子もわかりました。

広場では,LIGHT UP NIPPONという東北復興支援のイベントで,焼牡蠣や地ビールを昼食に。売り上げが支援に使われるとかで,割高でもまぁ,いいじゃないか。

川瀬巴水の画集2015年03月02日

雪の月島
初めてAmazonのKindle用書籍を買ってみました。
川瀬巴水の版画集です。一冊\99なので,気楽にダウンロードできます。
国立国会図書館の公開しているデータのようですが,自分で集めて本にするにはそれなりの手間がかかるので,まぁ,これでもいいかなと。

iMacやiPad用のKindleアプリがあり,Cloud上のダウンロードされたものを取り込む,という形です。

*昭和初期の雪の月島。月島出身なので,なんかうれしい。ちょうど父が柔道の町道場を開いた頃か・・