読み終えた本「白蓮れんれん」2014年10月22日

読み終えた本「白蓮れんれん」
読み終えた本「白蓮れんれん」
林真理子著 集英社文庫

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内容(「BOOK」データベースより)
「筑紫の女王」と呼ばれた美しき歌人・柳原白蓮が、年下の恋人、宮崎龍介と駆け落ちした、世に名高い「白蓮事件」。華族と平民という階級を超え、愛を貫いたふたりの、いのちを懸けた恋―。門外不出とされてきた七百余通の恋文を史料に得て、愛に翻弄され、時代に抗いながら、真実に生きようとする、大正の女たちを描き出す伝記小説の傑作。第八回柴田錬三郎賞受賞作。
内容(「MARC」データベースより)
あまりに名高い「白蓮事件」。姦通罪のあった大正十年の人妻の恋の逃避行は命がけであった。天皇の従兄妹で華族で炭鉱王の妻、相手は若い熱血の社会主義の闘士。衝撃的なニュースを小説化。ひとすじに貫いた真実の恋の物語。
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「花子とアン」が放送され,「蓮子」が出てきたときに,あれ?これって白蓮のことか?と思ったらその通りで,二人の関係を知らなかったので,意外だった。すぐに図書館に,前から気になっていた林真理子のこれを予約したら,すでに70数人の予約が入っていた。(^_^;) 皆さん,素早い。

やっと順番が回ってきたら,「予約が多く単行本は品切れで文庫本を手配しました」と書いたシールが文庫本の表紙に貼ってあった。単行本の方が活字が多少大きいので好ましかったのだが,仕方のないことか。
林の筆は見事なものだ。宮崎家から,二人の手紙を700通以上も読ませてもらったのだそうた。これが効果的に使われていて,ところどころに引用がある。この手紙から読み取ったところが多かったことだろう。姦通罪のある時代の,白蓮の奔放さと,若い愛人(宮崎滔天の息子)の情熱が伝わってくる。

伝右衛門は白蓮との離婚をあっさり認め,一切手出しはならぬと周囲に言明したそうだ。そして,今後一切,あき(火編に華)子の名は口にしてはならぬ,と。筑豊の男らしい潔さか。
気になったこと。

p163 とんでもございません、は間違い。とんでもない,で一つの言葉。もったいない,をもったいございません,とは言わないのと同じ。
p409 村岡花子はこのページに,名前だけが一度だけ登場する。その程度の扱い。