読み終えた本「機械との競争」2014年10月31日

機械との競争
読み終えた本「機械との競争」
エリク・ブリニョルフソン (著), アンドリュー・マカフィー (著), 村井章子 (翻訳)
日経BP社 (2013/2/7)

以前読んだ「スマートマシンがやってくる」に紹介されていた本だと記憶する。もう思い出せないほど,老化が進んでいる。(^_^;)
米国の現在の景気停滞はどこから来ているのか,そしてどうなっていくのかという,一種の未来予測である。現在も新たな「産業革命」が進行中で,その進歩は指数関数的なので,もしかしたらあっという間にとんでもないことになっている日がやってくるかもしれない,という。
蒸気機関の発明,電気の登場,そして自動車。ケインズも「テクノロジー失業」という言葉を使っており,それぞれの時期に職を失った人は多かった。現在は技術の進歩があまりに早すぎて,雇用が追いつかない状態にある。しかし,技術の進歩は新しい雇用も生み出してきた。だから,著者は悲観的ではない。

解説に面白いことが書いてあった。
 小峰隆夫(法政大学大学院政策創造研究科教授,元経済企画庁調査局長)
・・・なお、余談だが、白書が発表されると、翌日の新聞の社説に白書を題材とした論拠が掲載される。多くの人は、発表したばかりなのに、よく1日で論評が書けるものだと感心するかもしれない。しかし、これは不思議でもなんでもない。役所側は、発表の1週間程度前に、新聞の論説委員を集めて、丁寧に説明しているからだ。2000年度の白書の時もこの論説委員の説明をしたのだが、この時、某社の論説委員がかなり真剣な面持ちで、「IT革命で管理職が不必要になると簡単に言わないで欲しい。我々にとっては仕事を奪われたりしたら死活問題だ」と述べた。私は、内心「それは、あなたが、コンピュータに置き換えられる程度の仕事しかしていないからだ」と思ったが、さすがにそう言わなかった。つまり当時から「コンピュータによって人間が駆逐されてしまうのではないか」という観念が存在したということである。・・

*ムーアの法則は経験則であって,本当に未来がそうなるかは,実は誰にもわからないのではないだろうか,とは解説にも書いてある。解説者は多少懐疑的。