読み終えた本「第四の大陸」2016年02月02日

読み終えた本「第四の大陸」
読み終えた本「第四の大陸」
トビー・レスター (著), 小林 力 (翻訳)
中央公論新社 (2015/8/6)

内容紹介
500年前に1000部印刷され、後生に残されたのはただ1部。 その驚くべき地図〈ヴァルトゼーミュラー世界図〉を 米国議会図書館は2003年、1000万ドルという途方もない額で買い取った。 「アメリカの出生証明書」であるとして-- 古代ギリシャ、中世、ルネサンス、そして大航海時代へ。 未知の大地に思いを馳せた人々の世界観どのように変遷してきたのか。 新世界を初めて「アメリカ」と命名した驚くべき地図 〈ヴァルトゼーミュラー世界図〉誕生まで 地図製作技術の発展をめぐる壮大な歴史の万華鏡。 【ヴァルトゼーミュラー世界図ほか貴重な古典地図、 図版多数収録。カラー口絵8ページ】

メモ
欧州人が居ると信じていた東方の大王「プレスター・ジョン」と、モンゴル帝国の大ハーンを同一視するような過程がおもしろい。
時は、失敗に終わった第七次十字軍遠征のあと。モンゴルはキリスト教に改宗しそうだという、ありもしない噂が広まる。フビライ・ハーンの時に、伝聞ではあるが、マルコ・ポーロの「東方見聞録」が広まる。フビライはそれまでのハーンと違い、慈悲深かった。
モンゴル帝国の首都は今の北京で、失われた理想の都は「上都:シャンドウ:つまりザナドゥ」といった。

ペトラルカは、修道院などに埋もれていた古典を発掘し、ラテン語に翻訳した。ローマの崩壊後、古代の英知と知識が失われたことを嘆き、それらに無関心だった知識人に対して怒りを露わにしている。

天文学者としてのプトレマイオスしか知らなかったが、地理学者、地図製作学者としても業績が高い。エジプト出身だが、マケドニアの名門の出で、ローマ人だった。地図の投影法を考案した。古代ギリシャ人は、既に世界が球体であることを知っていた。

ペトラルカやボッカッチョなどの人文主義運動が、ギリシャ語で書かれた古典を掘り起こした。ローマが東西に分裂したことにより、ローマはラテン語を、ビザンツ帝国はギリシャ語を重視するようになったため、ギリシャ語の古典が顧みられなかったことによる。この動きが後のルネサンスにつながっていく。

後は面倒になってメモなし。(^_^;)
世界がどうなっているか,世界地図,地球儀の歴史。アメリカがいつからアメリカと呼ばれるようになったのか,アメリカはよほど知りたかったようです。

Scotch Plaid Flannel Shirt2016年02月04日

Scotch Plaid Flannel Shirt
Scotch Plaid Flannel Shirtというものを,ユニクロでも扱いだしたら急に有名になって,L.L.Beanを着ていてもユニクロだと思われるらしい。
そうなると,意地でもユニクロのフランネルシャツは着ない,と思ってしまう。

フリースだってそうだ。やたら安いので良いと思うのだけど,例えば昔,パタゴニアがリサイクルのフリースを売り出したので,今でもそれを着ているけど,当時は再生でないフリースが$40位だったのが,再生の方は$65とか高かった。そんなこともあって,古くなっても捨てないし,まだ着ている。ユニクロのフリースは持っていない。へそ曲がりだろうか?

三浦海岸探鳥会2016年02月11日

カワセミ
9時から三浦海岸探鳥会のリーダー。
暖かいと思っていたら,風があって結構寒い。
小松が池ではカワセミがペアで見られた。
京急の線路沿いの河津桜はまだ3分咲きか。
驚いたのは,池の道路を下ってきた自転車のおばさんが「邪魔だ!邪魔だ!歩きやがって!」と怒鳴りながら降りてきたことだ。一緒に歩いていた小学生に「あんなバカな大人にならないようにね」と言ってしまった。
海岸ではホースバックライディングの一団。海鳥はほとんど見られず。
鳥合せ
ヒドリガモ、オナガガモ、コガモ、カイツブリ、カワウ、バン、オオバン、セグロカモメ、トビ、ノスリ、カワセミ♂♀、コゲラ、チョウゲンボウ、モズ、ハシブトガラス、シジュウカラ、ヒヨドリ、ウグイス、メジロ、ツグミ、スズメ、ハクセキレイ、カワラヒワ、アオジ、番外ドバト

薔薇の名前2016年02月21日

ウンベルト・エーコが亡くなったというニュース。「どこかで聞いたことが・・」続いてニュースは「薔薇の名前の作者で・・」あ,そうだったのか。
映画は確かに観たが難解で,結局なんの話なのかさっぱり分からなかった。
夜中に手洗いに立ったら目が冴えてきたので,気になった「薔薇の名前」関連をiPad片手に寝床で検索を始めた。

エーコという人は,調べてみると大変な人で,この小説は彼の研究成果を,読者に分かりやすく,親しみやすいようにと,登場人物の名前には,色々と連想させるような設定をしている。
バスカーヴィルのウィリアムは,「シャーロック・ホームズ」と「オッカムのウィリアム」を連想させるようにしており,盲目の修道士ホルヘ・ダ・ブルゴスも「ホルヘ・ルイス・ボルヘスはアルゼンチンの国立図書館の館長で、盲目となった人物:Wikipedia」を連想させるようにしているらしい。
小説の舞台はオッカムのウィリアムの時代なので14世紀。そんな時代のキリスト教での「普遍論争」での異端審問が中心にある。普遍論争というのは,実在論と唯名論との争いで,個物が先か,普遍が先か,というような哲学上・神学上の争いのことのようだ。だから小説の「薔薇の名前」にも謎が秘められている。
オッカムのウィリアムは,「オッカムの剃刀」を掲げて,急進的な唯名論の立場に立ったため,ローマ教皇から異端審問にかけられそうになり,神聖ローマ皇帝の元へ逃亡する。
オッカムの剃刀は,「説明に不要な存在を切り落とすことの比喩」だそうで,「ある事柄を説明するためには、必要以上に多くを仮定するべきでない」とうことだ。
分子のように目に見えもしないもので何かを説明するのは,この考えに反すると,エルンスト・マッハがボルツマンを攻撃したことが,ボルツマンの自殺につながるという説もあるくらいのものだそうだ。

エーコに戻るが,エーコは5万冊もの蔵書を持つ知の巨人であり,彼の研究は中世のキリスト教や哲学,記号論に及んでおり,それらの基礎知識が全くない者には,小説が難解なのは仕方のないことかもしれない。
しかし,エーコのような人は「キリスト教世界」からしか生まれないように思うのは早計だろうか。イスラム世界でのどのような研究がなされているのだろうか。かつてはイスラム世界の方が,閉鎖的なキリスト教世界よりもずっと科学や天文学が発達していた時代もあった。では,近現代ではどうなのだろうか。

と,そんなことを考えていたら,急に腹が減ってきた。血中のブドウ糖を使い切ってしまったようだ。で,また寝ることにした。すぐに寝てしまったようだ。(^_^;)

横浜・元町のチャーミング・セール2016年02月26日

フリースジャケット
家内と横浜・元町のチャーミング・セールへ。
昔とは随分違ってしまったが,新しい店も面白い。立ち寄る店は限られていて,信濃屋がなくなってしまったのが残念ですが,高級すぎて滅多に買えるものがなかった。ネクタイは良く買ったなぁ・・

最初にローラ・アシュレー,SUMINO,ポンパドールには\1000の袋入りパンに長蛇の列。KENTに寄り,Unionでチーズなどを買い,ZARAを冷やかす。アサ商会ではフクロウの置物を昔良く買った。今はネコグッズが充実している。AIGLEでは70%OFFのフリースジャケットをゲット。ヒロキを覗き,ヘンケルも冷やかし。ROPEを見て,CARiNOではコロンブスの靴クリーム(世界最高の評価)があったので,黒をゲット。茶がなかったのが残念。パン屋さんでフォカッチャを買い,写真は忘れたけど,元町のもう外れにあるBrooks Brothersで何かないかと見たけど,欲しいものなし。

お腹が空いたので,中華街に出てなかなか売っていない源豊行の顆粒スープを大袋で買う。何十年ぶりかの四五六菜館でランチ。安くて助かる。(^_^)

読み終えた本「或る少女の死まで」2016年02月27日

読み終えた本
或る少女の死まで 室生犀星
書評だったか何だったか、文章が美しいというので、今まで室生犀星は読んだことがなかったので、青空文庫からダウンロードした。

ある貧乏詩人と隣りの九歳の少女ふじ子、そして筆者が友人らと傷害事件を起こすことになる飲み屋で酌婦をしている少女への思い。
一方は何不自由ない境遇、もう一方はいかにも病弱そうで、仕事中に居眠りするのが幸せそうなと、対照的に描く。
しかし、ふじ子は帰郷先の九州で、急病で亡くなったと手紙を受け取る。実際にあったことなのか、あっけない結末。
時代は母の生まれた年(明治44年)。当時の世相を窺い知る。

このように、「少女」を中心に置く小説の手法は、ステレオタイプのようでもある。例えば、鴎外の「舞姫」「うたかたの記」や、芥川の「南京の基督」にも見られるように思う。ふと、そんな事を思った。