読み終えた本「零戦 その誕生と栄光の記録」2013年08月19日

零戦 その誕生と栄光の記録
読み終えた本「零戦 その誕生と栄光の記録」
堀越二郎著
出版社: 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012/12/25)

パイロットを守る防弾がない戦闘機はいかがなものかと思っていたが,重量増加は致命的な非力なエンジン故と,優先するものが操縦性,攻撃力,航続距離だったそうで,事実,零戦が空中戦で被弾して撃墜される割合は非常に少なかったという。

NHKでの放映で,零戦の機体に使用された超々ジュラルミンの厚みは0.5mmだったそうで,F4Uだったか,米軍の主力戦闘機のそれは厚みが7mmもあった。米軍戦闘機のエンジン出力は零戦の2倍だったそうですが,それでも零戦の操縦性には遠く及ばなかったことでしょう。

堀越は「美しい」ものを作りたかったことは確かだろう。痛恨の極みは,末期戦で特攻機として使われたことだという。無念さは察して余りある。

コメント

_ Luke ― 2019年01月01日 23:04

お読みいただき、ありがとうございました。

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_ じゅうのblog - 2014年09月26日 21:22

零戦の設計者「堀越二郎」が零戦開発成功の記録を綴った『零戦 その誕生と栄光の記録』を読みました。
[零戦 その誕生と栄光の記録]

先日、映画『風立ちぬ』を観て、零戦のことや「堀越二郎」について知りたくなったんですよね。

-----story-------------
「日本の技術」の頂点・零戦、主任設計者の開発秘話

世界の航空史に残る名機・零戦の主任設計者が、当時の記録を元にアイデアから完成までの過程を克明に綴った貴重な技術開発成功の記録。
それは先見力と創意、そして不断の努力が見事に結晶したものであった。
「われわれ技術に生きる者は、根拠のない憶測や軽い気持ちの批判に一喜一憂すべきではない。長期的な進歩の波こそ見誤ってはならぬ」日本の卓越した技術の伝統と技術者魂を見直すことが問われる今こそ、必読の一冊。
-----------------------

「堀越二郎」の零戦開発に関わる熱い思いが綴られた作品でした。

 ■まえがき
 ■序章 昭和十二年十月六日
 ■第1章 新戦闘機への模索
 ■第2章 不可能への挑戦
 ■第3章 試験飛行
 ■第4章 第一の犠牲
 ■第5章 初陣
 ■第6章 第二の犠牲
 ■第7章 太平洋上に敵なし
 ■終章 昭和二十年八月十五日
 ■あとがき
 ■解説 小泉聰

設計者が書いた作品なので、難しい内容なのかなぁ… と不安に思いながら読み始めたのですが、素人にも理解しやすいように難解な表現が避けてあり、比較的読みやすかったです、、、

もちろん、航空力学については無知だし、専門的なことは理解できないので、そのまま流しましたけどね。


零戦が優れた戦闘機だということはイメージとして抱いていたのですが、、、

空戦性能と航続力をあわせ持つという海軍からの過酷な要求を満たすため、軽量化や操作性向上等について、新しい着想による創意工夫を織り込み、非力なエンジンでありながら、優れた機能性を持った戦闘機だったということが、具体的にイメージできました。

知識を磨き、時代を先取りして商用化する… これって、現代のビジネスにも言えることですよね。


そして零戦が、美しい戦闘機だったということも、改めて認識しましたね。
(「堀越二郎」は美しいという部分にも強い拘りがあったようです…)

「堀越二郎」も、本書の『あとがき』で「生涯における最大の傷心事」と記していますが、そんな、強く美しい兵器が、特攻として使われたというのは、設計者としていたたまれなかったと思います。


それにしても、零戦は、制空・援護・迎撃の任務を果たし、終戦まで6年間生産が続けられ総生産数10,425機というのですから、その活躍ぶりが生産期間や生産数からも想像できますね。

名機という言葉が相応しい戦闘機だと思います。


読後に感じたのは、『風立ちぬ』に登場する「堀越二郎」と、本書の「堀越二郎」に違い、、、

きっと『風立ちぬ』の「堀越二郎」は、「宮崎駿」の想いや創作による脚色も織り込まれているんでしょうねぇ。


でも、牛に引っ張らせて零戦を運ぶシーンは創作ではなく、事実だったんですねぇ… もっと零戦のことを知りたくなる一冊でした。