バレー「マノン」 ― 2016年04月29日
録画していたマスネのバレー「マノン」を鑑賞。
パリ・オペラ座のエトワール,オーレリー・デュポンの引退公演。
出演者のことは何も知らないし,マノンも今まで見たことがなかったけど,バレーは子供の頃から興味があったので録画しておいたもの。
物語は長編小説の「マノン・レスコー」を元にしたもので,調べてみると,原作とは微妙に異なる(小説では砂漠でマノンが死んでしまうが,バレーでは沼地とか)。
内容は主な舞台が娼館だったり,小悪魔的な主人公の美少女マノンは,この時代に流行した「ファム・ファタル」で,純真な青年が振り回されるというような話。
バレーはやはりオペラ座での公演だし,出演者のほとんどが欧州人なので,不自然な感じが全くない。非常に美しい踊りに,つい一緒に拍手してしまう。
日本でもバレーは盛んに上演されているけど,日本のバレー団が全員日本人で,西洋のバレーを踊ることが決して悪いとは言わないけれど,どうも違和感があって,なかなか難しいものがある。
例えば,歌舞伎や狂言を全員欧州人が演じている姿を想像してみると良い。それはそれで嬉しいけど。
そうはいっても,日本人が海外のバレー団ではかなり活躍している。女性だけでも,こんなにいる。
世界で「プリンシパル」になった日本人
・吉田都(1965年:英国ロイヤル)
・竹島由美子(1970年:オランダ国立/ドレスデンゼンパーオーパー)
・佐久間奈緒(1976年:英国バーミンガム・ロイヤル)
・中村祥子(1980年:ベルリン国立/ハンガリー国立)
・木田真理子(1984年:スウェーデン王立)
・加治屋 百合子(1984年:ヒューストン)
・倉永美沙(1987年:北米・ボストン・バレエ団)
・落合リザ(1988年:モスクワ・シティバレエ)
・日高世菜 (1991年:ルーマニア・ブカレスト国立歌劇場)
・近藤亜香(1991年:オーストラリアン)
※(生年:バレエ団名)
http://matome.naver.jp/odai/2142339735187859801
日本は実はバレー大国なのだ。
例えば歌舞伎では,外国人が活躍することはない(のだと思う)が,逆はある。
おそらく,欧州では国境が地続きで,「外国人」に対しては寛容なところがあるように思う。ユダヤ人に対してそうでなかった歴史は(今もか)あるにはあるけれど,古代ローマもそうだったように,外国人を受け入れる素地があるのだろう。特に芸術の分野では。
それはさておき,舞台では,罪を犯したマノンはアメリカの監獄に送りこまれるが,看守長はマノンの美しさに惹かれ,己のものにしようとし,マノンに無理やりフェ◯◯オさせるというシーンまである。この下品さには多少うんざりする。小説がそうなのかは知らないのだけれど。
一方,例えば歌舞伎ではどうだろうか。助六とか,吉原が舞台の演目はあるけど,露骨な性描写のようなものは無いのではなかろうか。これもフランスの文化なのか。
しかし,日本では浮世絵の春画や枕絵があり,この点,面白いようにも思う。
男性でも女性でも,バレーダンサーの肉体というものは,本当に美しい。特に均整が取れていて,小顔で,手足の長い欧州人ならではかもしれないが。
バレーは,あたかも体重がないかのように踊る。そのために必要な筋肉が必要なだけしか付いていないからだろうか。
マノン役のデュポンは小柄だが筋肉質で,42歳での引退は惜しい。監督が辞めるので後任に2年前に指名されていたようで,引退は本意ではないとインタビューでも述べていた。
幕が下り,カーテンコールで紙吹雪が舞う時に,インタビューでも泣いてしまうか,ぐっと堪えられるか,さぁ,どちらでしょうと述べていたが,やはり涙ぐんでいたのが見て取れた。
エトワールの引退に相応しく,紙吹雪も星型に切り抜いたもので,偶然,引退するエトワールの胸に一つ張り付いていた。
パリ・オペラ座のエトワール,オーレリー・デュポンの引退公演。
出演者のことは何も知らないし,マノンも今まで見たことがなかったけど,バレーは子供の頃から興味があったので録画しておいたもの。
物語は長編小説の「マノン・レスコー」を元にしたもので,調べてみると,原作とは微妙に異なる(小説では砂漠でマノンが死んでしまうが,バレーでは沼地とか)。
内容は主な舞台が娼館だったり,小悪魔的な主人公の美少女マノンは,この時代に流行した「ファム・ファタル」で,純真な青年が振り回されるというような話。
バレーはやはりオペラ座での公演だし,出演者のほとんどが欧州人なので,不自然な感じが全くない。非常に美しい踊りに,つい一緒に拍手してしまう。
日本でもバレーは盛んに上演されているけど,日本のバレー団が全員日本人で,西洋のバレーを踊ることが決して悪いとは言わないけれど,どうも違和感があって,なかなか難しいものがある。
例えば,歌舞伎や狂言を全員欧州人が演じている姿を想像してみると良い。それはそれで嬉しいけど。
そうはいっても,日本人が海外のバレー団ではかなり活躍している。女性だけでも,こんなにいる。
世界で「プリンシパル」になった日本人
・吉田都(1965年:英国ロイヤル)
・竹島由美子(1970年:オランダ国立/ドレスデンゼンパーオーパー)
・佐久間奈緒(1976年:英国バーミンガム・ロイヤル)
・中村祥子(1980年:ベルリン国立/ハンガリー国立)
・木田真理子(1984年:スウェーデン王立)
・加治屋 百合子(1984年:ヒューストン)
・倉永美沙(1987年:北米・ボストン・バレエ団)
・落合リザ(1988年:モスクワ・シティバレエ)
・日高世菜 (1991年:ルーマニア・ブカレスト国立歌劇場)
・近藤亜香(1991年:オーストラリアン)
※(生年:バレエ団名)
http://matome.naver.jp/odai/2142339735187859801
日本は実はバレー大国なのだ。
例えば歌舞伎では,外国人が活躍することはない(のだと思う)が,逆はある。
おそらく,欧州では国境が地続きで,「外国人」に対しては寛容なところがあるように思う。ユダヤ人に対してそうでなかった歴史は(今もか)あるにはあるけれど,古代ローマもそうだったように,外国人を受け入れる素地があるのだろう。特に芸術の分野では。
それはさておき,舞台では,罪を犯したマノンはアメリカの監獄に送りこまれるが,看守長はマノンの美しさに惹かれ,己のものにしようとし,マノンに無理やりフェ◯◯オさせるというシーンまである。この下品さには多少うんざりする。小説がそうなのかは知らないのだけれど。
一方,例えば歌舞伎ではどうだろうか。助六とか,吉原が舞台の演目はあるけど,露骨な性描写のようなものは無いのではなかろうか。これもフランスの文化なのか。
しかし,日本では浮世絵の春画や枕絵があり,この点,面白いようにも思う。
男性でも女性でも,バレーダンサーの肉体というものは,本当に美しい。特に均整が取れていて,小顔で,手足の長い欧州人ならではかもしれないが。
バレーは,あたかも体重がないかのように踊る。そのために必要な筋肉が必要なだけしか付いていないからだろうか。
マノン役のデュポンは小柄だが筋肉質で,42歳での引退は惜しい。監督が辞めるので後任に2年前に指名されていたようで,引退は本意ではないとインタビューでも述べていた。
幕が下り,カーテンコールで紙吹雪が舞う時に,インタビューでも泣いてしまうか,ぐっと堪えられるか,さぁ,どちらでしょうと述べていたが,やはり涙ぐんでいたのが見て取れた。
エトワールの引退に相応しく,紙吹雪も星型に切り抜いたもので,偶然,引退するエトワールの胸に一つ張り付いていた。

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