ザッツ・エンターテイメント2005年06月17日

BS2で三夜連続だったようですが、14日の2と15日の3を観ました。2では、フランク・シナトラとグレース・ケリーのツー・ショットは「上流社会」。観ていませんが、いつか観たいなぁ。グレースの気品は並ぶものがないほどです。スペンサー・トレーシーとキャサリン・ヘプバーンは9本共演していたのですね。二人の関係もよく分かりました。フレッド・アステア、ジーン・ケリーは二人とも素晴らしい芸達者ですが、アステアは激しいステップを踏んでも、頭の高さは不動、というのは、名人芸としか言いようがないですね。まるでモズやカワセミが揺れる枝に止まっている時の様でした。ダイナ・ショアは歌と名前しか知らなかったので、映像を観て感激。ドリス・デイの若い姿もよかった。

3で印象に残ったのは、名前は失念、黒人女優が差別に合っていたことを述べていました。本人の気持ちは察して余りあるものでしょうが、そういう事実をこの映画ではきちんと伝えていて、かつての差別への反省が込められているところは、好感が持てました。レッド・パージでチャプリンを米国から追いやったのもハリウッドですから。

「アニーよ銃をとれ」の主役は、本当はジュディー・ガーランドだったというのは知らなかったなぁ。TVの番組の方も懐かしく思い出します。
歌の代役というのは良く行われていたようで、「マイ・フェア・レイディー」のオードリーを思い出してしまいました。オードリーはしっかり歌を練習し、本番でもちゃんと歌っていたのに、本人に知らされずに吹き替えられていた、というのを聞いたときには、ほんとにがっかりしたものです。でも「ティファニーで朝食を」での「ムーン・リバー」は本人の声ですが、確かにあまり歌は上手ではありません。とはいえ、ファンとしては本人の声が聴きたいのです。

アステアの撮り直されたシーンを二つ並べて見せるところでは、完全にシンクロナイズしていて、アステアの天才ぶりが思い知らされ、思わず拍手してしまいました。もう、こういうスターは出ないでしょうね。

MGMの70周年記念で作られて映画だそうですが、MGMだけでもこんなにボリュームがあるのですから、二十世紀フォックスやパラマウント、コロンビア、ユニバーサルなどでも同様の企画をしたら、どんなことになっていたか。そういうのも観てみたいですね。

#この映画の中でも誰かが言っていましたが、映画の中に若い頃(あるいは生前の)の姿が永遠に残されているので、映画スターはほんとに幸せですね。