小説2007年01月05日

暮れから年始にかけて、珍しく小説を読んだ。昨年暮れに、小説の話になったときに、会社の女性が貸してくれた。

1 スキッピング・クリスマス ジョン・グリシャム著、白石朗訳 小学館
2 僕らの事情 デイヴィッド・ヒル著、田中亜希子訳 求龍堂

1は、費用と労力のかさむクリスマスの大騒ぎを、娘が南米のNPOへ派遣されたのを機会に「スキップ:すっぽかす」して、カリブ海の豪華客船クルーズに行くことにした、会計事務所に勤める主人公夫妻だが、ご近所との散々な軋轢の後、出発前日に、急に娘が婚約者を連れて帰国することになり、さてそこからの慌てふためきぶりが・・・

2は、筋ジストロフィーで車椅子の、15歳の同級生との友情物語だが、新訳のサリンジャー著「ライ麦畑で・・」を彷彿させる、非常に現代的な訳で、車椅子少年の皮肉に富んだジョークなどが素晴らしい。結末は予想されるもの悲しさはあるが、読後感の爽やかな傑作。

どちらも、映画化を意識しているかのような書きぶりだが、映画化されても、きっと良いものになると思われる。たまに小説を読むのも良いものだ。少なくとも、ちょっとばかり、心が豊かになった気持ちになる。