「JAPAN」 ロバート・ブルーム画集2015年09月04日

飴屋
明治中期に来日した米国人画家,ロバート・ブルームの画集が届きました。
中でも有名な「飴屋」は,シンコ細工ではと思ったら,確かに飴細工屋でした。

拡大してみると,飴細工師は眼鏡をかけています。明治中期にはもうこうなっていたのですね。

興味深いのは,巻末の,「飴屋の謎 ブルームとワーグマンの作品をめぐって 岡部昌幸」という一文。

全く同じ構図のチャールズ・ワーグマンの絵が,東京国立博物館に所蔵されているのだそうです。謎というのは,ブルームは「飴屋」を明治24-25年に描いたことがわかっている。しかし,ワーグマンは明治24年の2月8日に亡くなっている。しかも,亡くなるまでの3年間は精神病を患っていて作品を描いていないことがわかっているのだそうだ。
ワーグマンの絵は,ブルームの絵と比べて明らかに稚拙で,ブルームの絵は緻密で完璧。これはどうしたことなのだろうか。
実に不思議。

想像するに,おそらく同じ構図の写真が存在していて,ワーグマンもブルームもそれを見て描いたのではないか。この写真が見つかればわかるかもしれない・・というもの。さて,どうなのか・・

*緻密に描かれたパステル画は素晴らしい。当時のブルームの眼は,今の私たちの眼とほとんど同じだったのではと思います。やっと彼らの時代に追いついたような,奇妙な気持ちになります。

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