フェルメール2006年03月09日

青いターバンの少女(真珠の耳飾りの少女)
メモ代わりに。
BSジャパンで「真珠の耳飾りの少女」を観た。原作が有名だそうだが、読んでいない。映画は公開当時、評判になったので覚えていた。良くできた映画だ。

どこまでが史実で、どこまでがフィクションだかはわからないが、美しいデルフトの風景、町並み、当時の衣装や小道具にも神経の行き届いた映画作りに感心した。

顔料を砕くところから、調合など、話には聞いているが、映像で見せられると、新たな感動がある。

カメラ・オブスキュラが登場し、フェルメールはこれを使ったかもしれないという推測だろうが、いかにもありそうで、興味をそそった。上から覗くと正立像になるというのは知らなかった。

画家とモデルという関係は、昔から云われているような、そういうものも多かったろうが、この映画では、少女が被り物を取って、髪をほどく様子を、画家が垣間見る、という表現が、見事な心理描写になっているように思う。

束ねた長い髪をほどくのは寝室に居るときだけ、という西欧の習慣は、マグダラのマリアを描くときにも、意味を持って表現されることでもわかる。さりげなく、この映画でも使われていた。

あらゆるシーンに絵画的な美しさがあり、おそらく多くは自然光で撮ったと思われる、見事な映像美だった。