読み終えた本「百年前の日本語」2012年11月06日

百年前の日本語
百年前の日本語――書きことばが揺れた時代 (岩波新書) [新書]
今野 真二 (著)
内容紹介
漱石が自筆原稿で用いた字体や言葉の中には、すでに日本語から「消えて」しまったものがある?──百年前の書きことばが備えていた、現代では思いもつかない豊かな選択肢。その後活字印刷がひろまり、「読み手」が急速に増大したことで、日本語はどのように変わったのだろうか。豊富な具体例を通じて描く、画期的な日本語論。(Amazon.co.jp)

ということだが,明治期,印刷が普通になってくると,それまでの手書きされていた字体が活字にはないことがあり,出版の段階で,その書き手のクセのようなものは,活字の制限の為に「消されて」しまう。最近,漱石の「手書き原稿に依る」作品が出版され,オリジナルを読むことができるようになったので,それを確かめることもできるようだ。
旧字体のはなし,ルビのはなし,漢語を「翻訳」していく過程,外国語の使用,など。
漱石全集などを読んだ時の「違和感」は,日本語が「揺れていた」時代故のことなのかと。
和語を,いかに漢語に置き換えていくかという過程も面白い。勅撰和歌集(905年-1439年)はほぼ和語だけで書かれているという。和語の美しさについても,もっと知りたいと思った。

「舞姫」2012年11月06日

鴎外は留学先で,よほどもてたようだ。事実,エリスが鴎外を追って来日したことは,家族の間で大問題になり,実妹がエリス(エリーゼ)に会い,説得して帰国させた。この事実は箝口令が敷かれたようで,封印されたが,噂は残ったままだった。多くの研究者がエリス探しに奔走し,それらしき人物が,当時の新聞記事や乗船者名簿などで見つかる度に新聞に載ったのを興味深く読んで来た。記事もスクラップしてある。
この記事にある「教会の洗礼者名簿」にはそれまで,誰も気付かなかったようで,快挙と言えよう。

#「舞姫」は切ない物語だ。鴎外はハッピーエンドが嫌いなのかと思うくらいだ。「うたかたの記」は更に切ない。しかし,何回も読み返してしまう魅力がある。
#鴎外は留学先で「君のドイツ語は素晴らしい」と褒められたと言う。リンガフォンもスピードラーニングも無い時代にだ。

■鴎外「舞姫」モデルの晩年明らかに=ベルリン在住のライターが調査
(時事通信社 - 11月06日 06:05)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=2212778

生ハム2種2012年11月06日

生ハム2種
先日のグアンチャーレと一緒に買った生ハム,スペックとフィオッコを食べてみた。

スペックは,プロシュットと大差ない。熟成がいくらか浅いので,風味は軽い。
一方,フィオッコは,もも肉の,しんたま部分ということで,断面が丸い。香りは,何か穀類の発酵臭の様で,揮発性の樹脂系の香りがする。何の匂いなのか,しろうとの私には表現できないし,似ているものが何かも,分かっているのだが出てこない。

件のCoopワインの赤で試したら,スペックは何か血なまぐさいような味になってしまい,フォオッコも決して美味いとは言えないような香りが残る。急遽,一緒に買ったVino Biancoにしてみた。赤と同じ産地の,トレッピアーノという品種だそうで,ミュスカデのような香りなのか,しろうとの私にはわからない。しかし,さっぱりしていて飲みやすい。このハムにはこれが良かった。って,他に白はないので,較べようがないのだが。