オードリー 後編2013年12月01日

松下奈緒の「永遠のオードリー」後編。
ローマ在住のオードリーの次男,ルカ・ドッティが母の思い出を語っていた。
近所の人も,懐かしく思い出を語っていた。気さくに近所付き合いをしていたようだ。

オードリーの記念館で,彼女オリジナルのサングラスを見せられ,掛けてみた松下奈緒には小さすぎて,ツルが耳に掛からない。身長は確かに奈緒の方が少し高いが,オードリーの顔はもっと小さかったということか。

大腸がんで死ぬ三ヶ月前までユニセフの仕事をしていたという。子供の頃,ユニセフの前身であるUNRAAの食料援助を受けたことを忘れなかったということだった。

ユニセフでのパートナーがオードリーについて語った言葉「その人が死ぬことは,その人の一部が自分のものになることに気が付いた」が,印象に残った。また,彼女は名声というものを最後までこの仕事に利用したとも云っていた。

※昔,スイスで暮らすオードリーが普段着姿で化粧もせずに,箒で庭を掃いているのをパパラッチが撮り,それをフライデーか何かが載せて「魔法使いのお婆さん?」とからかっていたのを思い出した。ソマリアで瀕死の子供を抱いている彼女の写真と,どちらが人の心を打つのか,パパラッチに少し考えて欲しいと思うのは私だけではないだろう。

読み終えた本「銃・病原菌・鉄」下巻2013年12月04日

地図
読み終えた本「銃・病原菌・鉄」下巻
ジャレド・ダイヤモンド

メモ:

文字の発明は知識をもたらす。
p15
文字は無かったがインカは大帝国をつくった。しかし,文字を持つ国が文字を持たない未開の大陸を次々と征服していったことは事実。

p19
文字の起源。シュメール文字(楔形文字)は収支の記録の為に生まれたので,書き言葉を記録するには不適。アルファベットは母音・子音が分かれているため,話し言葉を書き留めることが出来るようになった。
欧州の各民族は,アルファベットを独自に借用して利用した。

社会体制の確立。小規模血縁集団(数十人)→部族社会(数百人)→首長社会(数千~数万人)→国家(5万人以上)

p110
国家の成立。プラトンは「国家は人間社会として当たり前の姿である」という誤りを犯している。紀元前4世紀のギリシャ社会はすべて「国家」であったから。ルソーは「社会契約」が国家を成立させると説いたが,それは理想であった。

首長社会が国家へと変わっていく為には外圧により脅威があったことが多かった。

オーストラリア大陸から切り離されたタスマニア島のアボリジニは,1万年前の暮らしをしていた。その間に捨てた技術があった。(弓矢など)
4万年続いたアボリジニの社会は入植した白人に一掃されたが,アボリジニの文化はオーストラリアと云う特別な環境が生んだもので,当然の帰結だった。

p198
マダガスカル島からイースター島まで話されているオーストロネシア語ファミリーのうち,3つが台湾で話されている。このルーツはおそらく台湾にあったろう。

p201
オーストロネシア人の拡散(地図をスキャン済み)

p268
 言語。アフリカでの言語は各民族特有のものだったはずが,移住して来た他民族に周囲を取り囲まれた結果,痕跡だけを残して消えてしまい,周囲の言語を話す様になってしまった。同様なことはマレー半島やフィリピンでも起きた。

p252
カリフォルニア州には狩猟採集生活を営んでいた先住民が20万人,100ほどの小部族に分かれて暮らしていた。ゴールドラッシュで大量の移民が押し掛けた1842年~1852年に掛けて,大虐殺され,またよその土地に追いやられた。北カリフォルニアに暮らしていた総人口が2000人ほどのヤヒ族は,銃を持っていなかったのに白人入植者に葬り去られた。一度目は1865年8月6日未明,17人の白人が襲撃。二度目は1866年に渓谷で襲撃。三度目は1868年,33人のヤヒ族が洞窟に追いつめられ皆殺しに。同じ年に4度目の襲撃が4人のカウボーイにより約30人のヤヒ族を洞窟に閉じ込めて虐殺した。

p296
欧州人がアフリカ大陸を植民地化できたのは,人種的な差異ではなくユーラシア大陸とアフリカ大陸との差,東西に長いか,南北に長いかの違いが,栽培化や家畜化可能な野生祖先種の分布状況の違いに依るもの。つまりは異なる大陸で暮らしていたので,異なる歴史をたどった,ということ。
※以前読んだレヴィ=ストロースの「野生の思考」を思い出す。「器用仕事:ブリコラージュ」はもし,同じ材料しか与えられなければ,生み出されるものに人種の違いはないはず,という考えと同じで,共感を憶える。

中国は長期にわたる統一と,ヨーロッパの長期にわたる「不統一」が,中国のヨーロッパ征服に至らなかった原因。

p320

歴史とは。
・「世界史,すなわち世界で人が成し遂げたものごとの歴史とは,根本的には偉人たちが世界で成し遂げたものごとの歴史である」 トマス・カーライル
・「政治家の仕事は,歴史を歩む神の足音に耳を傾け,神が通り過ぎるときに,その裳裾をつかもうとすることだ」 オットー・フォン・ビスマルク

※著者は歴史を科学として捉えられないかを模索しているかのようだ。

読み終えた本「銃・病原菌・鉄」下巻2013年12月04日

銃・病原菌・鉄 下巻
読み終えた本「銃・病原菌・鉄」下巻
ジャレド・ダイヤモンド

メモ:

文字の発明は知識をもたらす。
p15
文字は無かったがインカは大帝国をつくった。しかし,文字を持つ国が文字を持たない未開の大陸を次々と征服していったことは事実。

p19
文字の起源。シュメール文字(楔形文字)は収支の記録の為に生まれたので,書き言葉を記録するには不適。アルファベットは母音・子音が分かれているため,話し言葉を書き留めることが出来るようになった。
欧州の各民族は,アルファベットを独自に借用して利用した。

社会体制の確立。小規模血縁集団(数十人)→部族社会(数百人)→首長社会(数千~数万人)→国家(5万人以上)

p110
国家の成立。プラトンは「国家は人間社会として当たり前の姿である」という誤りを犯している。紀元前4世紀のギリシャ社会はすべて「国家」であったから。ルソーは「社会契約」が国家を成立させると説いたが,それは理想であった。

首長社会が国家へと変わっていく為には外圧により脅威があったことが多かった。

オーストラリア大陸から切り離されたタスマニア島のアボリジニは,1万年前の暮らしをしていた。その間に捨てた技術があった。(弓矢など)
4万年続いたアボリジニの社会は入植した白人に一掃されたが,アボリジニの文化はオーストラリアと云う特別な環境が生んだもので,当然の帰結だった。

p198
マダガスカル島からイースター島まで話されているオーストロネシア語ファミリーのうち,3つが台湾で話されている。このルーツはおそらく台湾にあったろう。

p201
オーストロネシア人の拡散(地図をスキャン済み)

p268
 言語。アフリカでの言語は各民族特有のものだったはずが,移住して来た他民族に周囲を取り囲まれた結果,痕跡だけを残して消えてしまい,周囲の言語を話す様になってしまった。同様なことはマレー半島やフィリピンでも起きた。

p252
カリフォルニア州には狩猟採集生活を営んでいた先住民が20万人,100ほどの小部族に分かれて暮らしていた。ゴールドラッシュで大量の移民が押し掛けた1842年~1852年に掛けて,大虐殺され,またよその土地に追いやられた。北カリフォルニアに暮らしていた総人口が2000人ほどのヤヒ族は,銃を持っていなかったのに白人入植者に葬り去られた。一度目は1865年8月6日未明,17人の白人が襲撃。二度目は1866年に渓谷で襲撃。三度目は1868年,33人のヤヒ族が洞窟に追いつめられ皆殺しに。同じ年に4度目の襲撃が4人のカウボーイにより約30人のヤヒ族を洞窟に閉じ込めて虐殺した。

p296
欧州人がアフリカ大陸を植民地化できたのは,人種的な差異ではなくユーラシア大陸とアフリカ大陸との差,東西に長いか,南北に長いかの違いが,栽培化や家畜化可能な野生祖先種の分布状況の違いに依るもの。つまりは異なる大陸で暮らしていたので,異なる歴史をたどった,ということ。
※以前読んだレヴィ=ストロースの「野生の思考」を思い出す。「器用仕事:ブリコラージュ」はもし,同じ材料しか与えられなければ,生み出されるものに人種の違いはないはず,という考えと同じで,共感を憶える。

中国は長期にわたる統一と,ヨーロッパの長期にわたる「不統一」が,中国のヨーロッパ征服に至らなかった原因。

p320

歴史とは。
・「世界史,すなわち世界で人が成し遂げたものごとの歴史とは,根本的には偉人たちが世界で成し遂げたものごとの歴史である」 トマス・カーライル
・「政治家の仕事は,歴史を歩む神の足音に耳を傾け,神が通り過ぎるときに,その裳裾をつかもうとすることだ」 オットー・フォン・ビスマルク

※著者は歴史を科学として捉えられないかを模索しているかのようだ。

フクロウの巣箱に落ち葉を敷き詰めました。2013年12月07日

フクロウの巣箱
前の会社(家の前じゃなくて,以前勤めていた,です,断るまでもないか・・)の裏山に掛けてあるフクロウの巣箱に落葉を敷き詰めに行きました。
私の退職後にも,面倒を見てくれる若者と一緒です。作業は高齢の私に代わって彼がやることになりました。(^_^;)

ヒナが巣立った後には,簡単な掃除をしてあるのですが,少し周囲に残っているので,耐水ベニヤに防腐剤が塗ってあるとはいえ,木材ですので腐朽菌にやられてしまいます。そこで,隅々まできれいにするため,スクレーパで掻き取って,ブラシと塵取りですっかり掃除してもらいました。
そこへ,庭師に集めてもらっていた良く乾いた落葉をふんわりと敷き詰めました。フクロウの産座になります。

フクロウは自ら産座の落葉などの巣材を集めることはしないので,このようにしなければなりません。自然状態の樹のうろでは,朽ちた木材が産座になります。

今年はアライグマやハクビシンがねぐらには使わなかったようで,きれいな状態でした。周囲の足場になりそうなところに張った「ネコ除け」のとげとげマットが効いたようです。

読み終えた本「流れとかたち」2013年12月14日

「流れとかたち」
エイドリアン・ベジャン著 紀伊國屋書店(2013)

熱力学の知識が皆無の私が読むには難解な本だったけど,「自然の中に潜むデザインはどのようにして決まるのか?」を知りたかったので,これに答える新しい考え(コンストラクタル法則)のようです。

特にまとめという訳ではなく,単なる気になった箇所のメモ:

p168 スポーツにおける進化
速度は質量の1/6乗に比例し,あるいは身長の1/2乗に比例して増加する。学会誌に北京オリンピックに間に合うように投稿したが,掲載されたのはその一年後。ボルトとフェルプスの勝利を説明した,とされたが,「予測した」のだ。

生き物は有効エネルギーの単位消費量当りの移動可能距離を増やすように進化するはずだ。

p193 ソローからの引用
「私は森に行った。なぜならじっくり物事を考えて暮らし,人生の本質的な事実だけに直面し,それが教えてくれるものを学ぶように努め,いよいよ死を迎えるときになって,自分が充実した人生を送ってこなかったことに気付くようなはめになりたくなかったからだ。」
ウォールデン:森の生活 ヘンリー・ディヴィッド・ソロー

p195 皮肉にも,コンストラクタル法則は,科学の正統的学説に疑問を呈しつつ,非科学者が抱く世界に対する印象の正しさを立証する科学的な原理だ。※冒頭でノーベル化学賞受賞者のプリゴジンの説を真っ向から否定していた。

p198 流動系としての樹木
樹木は水を運ぶためのデザインだ。

p199 樹木が「発生する」のは,そこに水があり(上方へ)流れなければならないからであって,「木が水を好む」からではない。

p243 コンストラクタル法則を明確に表現すれば「有限大の流動系が時の流れの中で存続する(生きる)ためには,その系の配置は,中を通過する流れを良くするように進化しなければならない。

p249 科学的な考えが根付くまでは長い時間がかかるように見えるのは,河川よりもはるかに複雑な流動系だからだ。
「新しい科学の真理が勝利を収めるには,反発する人々が納得し,その真理を理解するからではなく,彼らが最終的には死に絶え,その真理に慣れ親しんだ新しい世代が育つからだ。」マックス・プランク

p352 文化交流という言葉は政治的に校正ではあるが,戯言だ。古代ローマ人は自らが欠いているもの(奴隷と内的治安)を獲得するために広がり,同時に蛮族も自らが欠いているもの(食物,住みか,文化)を獲得するために,ローマ人に襲いかかった。

p353 古代には,流れは地表を歩き回る個人が背(や頭の中に)に担っていた。歩き回る個人が多いと,侵入された文化はその影響で激変した。侵入してくる集団が侵入された集団より多くの文化を持っていたときは,解放と進歩につながった。侵入してくる集団の方が文化が乏しいと,暗黒時代やソヴィエトの共産主義がもたらされた。その両方が,私の知っているヨーロッパで起こった。(※筆者は1948年ルーマニアの生れ)

p383 私たちは,人間と機械の一体化した種になった。

p398 未来について
文明は,その構成体のいっさい(科学,宗教,言語,表記など)ともども,質量とエネルギーの知識と移動から,アイデアを思い付く人々の世界的な移住に至るまで,進化を続ける流動の配置という果てしない物理法則なのだ。
優れたアイデアは移動し,伝わり続ける。流れやすい配置は既存の配置に取ってかわる。それが生命だ。それが私たちの歴史だ。そして,それこそが未来なのだ。

※巻末の木村繁男(金沢大学教授)による解説では,(氏は著者の弟子)
コンストラクタル法則を一言でいえば,「熱力学第二法則では満たすことができない,ベジャンの自然認識の願望を可能にした」原理である。
のだそうです。

※米国の応物学会誌の最新のレヴュー論文には,200を越えるコンストラクタル法則に関する論文が既に発表されているそうです。いずれ,世界的に認知されることでしょう。

Amazonより
内容紹介
分野を超えて衝撃を与える、革命的理論の誕生
ダーウィン、ドーキンス、グールド、プリゴジンらに異を唱える熱力学の鬼才が放つ、衝撃の書!
樹木、河川、動物の身体構造、稲妻、スポーツの記録、社会の階層制、経済、グローバリゼーション、黄金比、空港施設、道路網、メディア、文化、教育――
生物・無生物を問わず、すべてのかたちの進化は、「コンストラクタル法則」が支配している!
著者エイドリアン・ベジャンは、1996年にノーベル化学賞受賞者イリヤ・プリゴジンの講演を聴いていた際、「河川流域や、肺の気道、稲妻など、自然界に豊富に見られる樹状構造の類似性は偶然である」という、プリゴジンの主張が間違っていることに突如気づいた。
この閃きからベジャンの思考は一気に流れ出した。万物のデザインを支配する物理法則の存在を確信したベジャンは、のちに「コンストラクタル法則」と名付ける法則の定義を、以下のようにノートに書き留める。
「有限大の流動系が時の流れの中で存続するためには、その系の配置は、中を通過する流れを良くするように進化しなくてはならない」
驚くことに、この法則は生物のみならず、河川流域や稲妻の形状、果ては工業製品や社会制度のかたちなど、無生物にも適用されるものなのだ。ベジャンは生命の概念を生物学の領域から切り離す。すべてを「流動系」と見なせば、そのかたちの進化はコンストラクタル法則に従うという。そして最終章では、同法則を用いた人間社会の未来予測が展開される。
「すべては、より良く流れるかたちに進化する」という、一見過激なこの物理法則はいかに説明されるのか?
初めて一般向けにまとめられたベジャンの革命的理論が、ついに日本に上陸する!

「世界を動かすのは愛やお金ではなく、流れとデザインである」……「序」より

内容(「BOOK」データベースより)
樹木、河川、動物の身体構造、稲妻、スポーツの記録、社会の階層制、経済、グローバリゼーション、黄金比、空港施設、道路網、メディア、文化、教育―生物・無生物を問わず、すべてのかたちの進化は「コンストラクタル法則」が支配している!ダーヴィン、ドーキンス、グールド、プリゴジンらに異を唱える熱力学界の鬼才が放つ、衝撃の書。
--ここまで

ギュスターブ・カイユボット2013年12月15日

床磨き
見損なった「日曜美術館」のカイユボットの回を観ていました。

カメラがもうあった時代なので,浮世絵の影響もあるでしょうが,明らかに広角レンズの視点であり,「あおり」を利かせた画角のような,遠近法が正しくないような画風に,なるほどと思わせます。

また,この時代,ちょうど私が生まれる100年前のブルジョアジーに生まれたカイユボットが,労働者に向ける視点もまた違ったものだったのでしょう。都市の孤独も良く描かれているように思えました。

遺言も紹介されましたが,印象派への援助の項目もあり,ノブレス・オブリージュを良く理解しているようにも思えました。若くして亡くなったのが,残念です。自分の寿命を知っていたかのようでした。

今日の燻製2013年12月21日

燻製
何度もご紹介しているので,なんですが・・ハムとベーコンです。風乾後,真空パックしてからハムは65℃で6時間茹でました。
ベーコンは風乾しただけで,半分に切って真空パックして冷凍。
ベーコンは2軒分です。

他に鶏ササミは風乾後に真空パックしましたが,試食してみました。今回はハムと一緒に真空パックして茹でたのでそのまま食べられます。かなり美味しかった。ビールの当てに。
牡蠣は風乾後,オリーブオイル漬けに。チェダーチーズはそのままおつまみ。これも意外と美味しかった。

他の燻製は・・2013年12月25日

ネコの水飲み
ハムと鶏ササミの燻製は,パスチャライズ(低温殺菌:65℃6時間)したので,冷水で冷却。と,そこへネコさんが水を飲みに。
給水器も用意しているのに,なぜか洗面台で水を飲むのを好みます。
あれ?という様子でしたが,ぴちゃぴちゃといつもより楽な姿勢で飲んでいました。真空パックしてあるので,まぁ,ネコがなめたくらいは大丈夫でしょう。

※鶏ササミの燻製は4~5日後の方が味がなじんで美味しくなります。まだお預け。チェダーチーズの燻製はさっき食べてみましたが,ウィスキーやジンにぴったりで,非常に美味いですねぇ。またやってみましょう。
※他に牡蠣1kgも燻製にしてあり,オリーブオイル漬けになっています。これも4~5日後に食べ頃。