読み終えた本「憲法主義:条文には書かれていない本質」2014年09月19日

憲法主義
読み終えた本「憲法主義:条文には書かれていない本質」
内山 奈月 (著), 南野 森 (著)
PHP研究所 (2014/7/16)

動画で概要が紹介されています。
https://m.youtube.com/watch?v=azhGeAGWcF0

※AKB48の内山奈月という子は知らなかったけど,憲法全文を暗記しているとは大したものです。南野という憲法学者でさえ,全文を暗記はしていないという。
この内山さんという子は大変賢い。多少のつたなさはあるが,講義では鋭い答えを連発して憲法学者を驚かせている。将来,どうなるのか,楽しみな子だ。ことによると政治家になるかもしれない。
※巻末に憲法全文が掲載されているので,久しぶりに読み直してみた。小学校の時に毎日つけていた日記にも載っていて,前文に感動したのを思い出した。ただ,今また読み直してみると,「敗戦国日本」の当時のありさまが透けて見えて来る。いかにももう「古くなった」し,違和感のある表現も多い。だからといって,そう簡単に改正出来るものにはなっていないし,その必要が本当にあるのかは,多くの議論が必要だろう。
※とはいえ,感動した条文,第九十七条
「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。」
調べてみると,十一条と重複している。当初,この条文はいらないのではということになったが,民政局のホイットニー将軍自筆の文言であるので是非入れて欲しいという要請があり,載せないとなると,他の事案を蒸し返されるのではと恐れ,そのままになった経緯があるらしい。
が,「基本的人権」を二度にわたって保証している憲法があっても良いではないか。

以下,メモ
・尊属殺重罰規定が違憲判決で削除されたことを忘れていた。最初の違憲判決。
・大日本帝国憲法には違憲審査制がなかった。
・合衆国憲法は最古の憲法である。
・AKB48の内山(この時はまだ高校生)は慶應に進学するので、福翁自伝を既に読んでいた。福沢諭吉は,オランダ語に堪能だったが,横浜でオランダ語が通じないことに驚き英語をすぐにマスターした。この時代に・・!
・君主主権と国民主権とは,主権者が同じ権利を持つように思えるが,国民主権での国民の権利は,例えば立法府での決定に「正当性を与える」時にだけでてくるにすぎない。なるほど・・
・間接民主制で最も大切なものは、表現の自由なのである。
・民主主義は最高の政治体制ではないけれど、民主主義よりましなものはない。
・マスコミが反体制でなければ、すぐにでも独裁政権が誕生する。しかし、マスコミも誤った報道をすることに注意しなければならない。
・二つめの違憲判決は、薬事法の改正で、新たな薬局店の設置は、既存の薬局店から一定の距離を置く、というもので、1975年に違憲判決が出て無効。
他に、1票格差問題で、公職選挙法の定数の規定に関して2件の違憲判決。
・在外邦人の選挙権制限では、内閣法制局が事前審査したにもかかわらず、違憲判決された珍しい例。
・違憲判決が戦後70年で10件というのは少な過ぎないか?外国と較べると極端に少ないらしい。
・違憲判決は国会が無視すればそのままになる。刑法200条(尊属殺)は20年経ってから削除された。
・裁判官の国民審査は、充分に機能しているとは言えない。まぁ,それは実感しているなぁ・・
・内閣が任命した裁判官による内閣の審査に意味があるか?(違憲審査)
・第三者機関によるさらに権限の強い審査権が必要ではと内山は言う。
・若しくはと又はの違い
 結合される語の種類(たとえば果物と野菜など)が違っていたり、別のレベルのものの場合は、小さな選択的接続に「若しくは」を、大きな選択的接続に「又は」を使う。
(A若しくはB)又はC ・・・なるほどなぁ・・
・日本国憲法が、実は不磨の大典である。
明治22年(1889)2.11 大日本帝国憲法発布勅語 明治天皇
「朕、国家の隆昌と臣民の慶福とをもって中心の欣栄とし、朕が祖宗に承くるの大権により、現在および将来の臣民に対しこの不磨の大典を宣布す。」以下省略
・9条2項の「前項の目的を達するため」は、芦田均が付け加えた。後のことを知ってか知らずか。
・米国なくして日本の平和はないのなら、 日本が米国を守ることは「自衛ではないか」と内山は言う。まぁ,こういうことなら,いくらでも拡大解釈できてしまう・・
・「解釈改憲」で集団的自衛権を認めるのは重すぎる。・・そうだと思うなぁ。

内容紹介
もしも国民的アイドルが、日本国憲法を本気で学んだら……。
日本武道館のステージで憲法を暗唱して聴衆を沸かせた高校生(当時)アイドルが、気鋭の憲法学者による講義をマンツーマンで受けた結果、日本一わかりやすい憲法の入門書ができました!
とはいえ、「人権論」から「統治機構論」へと展開する本書の内容は、かなり本格的なもの。「表現の自由」が憲法全体に果たす役割の重さには驚きを禁じえません。また、恋愛の自由、パパラッチの問題など、アイドルなら気にせずにはいられない事象についても、真正面から論じています。さらには、今夏、国内外で注視されている「集団的自衛権」の問題についても、ガチンコで議論を戦わせている大注目の1冊です。
「大学で憲法を専門的に勉強している学生にも読んでほしい」(南野)
「基本を理解し、守り、発展させることの重要性を学びました」(内山)

第1講「憲法とは何か?」憲法は他の法律と比べて何が違うのか
第2講「人権と立憲主義」アイドルの「恋愛禁止」は憲法違反か
第3講「国民主権と選挙」質の高い代表を選出するための工夫
第4講「内閣と違憲審査制」国会・内閣・裁判所の民主的正統性について
第5講「憲法の変化と未来」憲法が変化する場合とその手続きについて

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