MRI2013年06月05日

年明けからひどく首が痛んだので,横須賀共済病院でMRIを受けてきました。掛り付け医の紹介状がありがたい。
こちらのミスで1ヶ月遅くなってしまいましたが,早く行ったお陰で,あまり待たずに受けられました。
もう一つ,空いているのがあるので,こちらへと案内されたのは,東芝の3テスラのマシン。技師の女性に
「東芝なんですね,ジーメンスとかじゃなくて,フィリップスもありますよね」と云うと
「あ,あちらの方はフィリップスです。お詳しいんですね」と別な部屋を指して云われちゃいましたが,詳しい訳はない。で,
「3テスラってかなりすごいですよね」と云うと,「そうなんです,最新と云ってもよいですよ」とのこと。

約20分,おとなしくベッドに横たわる。両の耳に音楽が聴こえるパッドを押し付けて,さらにスペーサを入れて動かないようにする。3テスラもの磁場に磁性体は持ち込めないので,スピーカは空気のチューブで送られてくる,昔,旅客機にあった「伝声管」方式。納得。

「カッチョン,カッチョン・・」という音は液体ヘリウムを送り込むモーターの音とのこと。超伝導磁石ってなんか凄い!

終わって着替えていると「磁性体が検出されました!」とセンサーが勝手に喋っている。そうですよね,もし,通電中にそばに磁性体のちょっと大きなものがあれば私は即死。

#事故の写真を見たことがありますが,鉄製のボンベが,MRIの丸い窓に貼り付いている。あんなものが飛んできたら命は無い。
#先生の診断結果は特に異常なし。時には痛む時があるかもしれませんが,3ヶ月もすれば,今の様に治まるので,安心して運動などをしても大丈夫です,とお墨付きをいただいた。よかった。

読み終えた本「諏訪根自子」2013年06月07日

諏訪根自子
「諏訪根自子」 美貌のヴァイオリニスト その劇的生涯 1920-2012
アルファベータ刊 2013/2/19

諏訪根自子の名だけは知っていたのだけれど,どんな人なのかは全く知らなかった。
亡命ロシア人からヴァイオリンを学び,一躍天才少女として注目を浴び,ベルギー,ドイツ,スイスと演奏旅行の日々。時は第二次世界大戦のまっただ中。
ゲッベルス宣伝相からストラディヴァリウスを贈られる。これがまた後に,悩みの種になり,その真贋も未だに未解明のまま。この楽器を保有している甥は,鑑定を拒んでいるそうで,私はそれで良いと思う。ユダヤ人から略奪した楽器だと云う人もいて,本物でも偽物でも,どちらでも問題があるかもしれない。知らない方が良いと思う。

今までは日本,中国の戦前・戦中に関わった人で,興味のある人の本を読んできたが,欧州は初めて。
こんな逸話も印象に残った。

根自子が十歳の時に来日したエフレム・ジンバリストを,師の小野アンナに連れられて帝国ホテルに訪ねている。ジンバリストの前で演奏し,欧州行きを勧められたという。(ジンバリストの息子は俳優で,テレビ映画「サンセット77」に出ていたのを良く憶えている)

渡欧した根自子はまずベルギーへ向かったが,当時のベルギー大使は来栖三郎だった。来栖の長男良は,陸軍のパイロットになるが,母は米国人で,その血を継いでか長身,目鼻立ちがはっきりした大変なハンサムだったそうで,父の赴任先であるブルュッセルを訪ねた帰り,パリに向かう列車の中で映画監督にスカウトされたそうだ。同行していた武官が「大使の令息を映画俳優になどとは無礼千万!」と一喝したそうだ。後に良の母アリスが映画「禁じられた遊び」を観たとき,あの時の名刺に「ルネ・クレマン」とあったのを思い出してため息をついた,という。
昭和十九年,福生飛行場で待機していた来栖大尉は,米軍艦載機を迎撃するため滑走路を自機に向かって走っているとき,不注意から急発進した友軍の「飛燕」のプロペラに叩かれて即死したという。
その墓には,父によって以下の言葉が刻まれているという。
In peace,sons bury their fathers. In war,fathers bury their sons.
(平時には,息子が父が葬り,戦時には,父が息子を葬る)
悲しいじゃありませんか。

こんな悲しい話もあったけれど,他にも子供の頃には良く聞いたことのある音楽家の名前が山の様に登場する。そんなことだけでも楽しめた。

昭和12年,ジョージ六世の戴冠式に向けて,朝日新聞社が神風号で「亜欧連絡飛行記録」に挑戦し,見事最短記録を打ち立てる。その祝賀親善飛行でパリからベルギーに飛んだ神風号をベルギーで出迎えた人の中に,渡欧中の根自子がいた。神風号の話は聞き知っていたが,ここにも根自子が関係していた。そんな時代だったのだ。

この時代,パリには藤田嗣治,岡本太郎,俳優の早川雪洲等がいた。交換留学の期限が切れた根自子は,師のカミンスキーを追ってパリへ。留学費用を負担してくれたのは,大倉財閥の大倉喜七郎男爵だった。パリではケンプ,ルービンシュタイン,コルトー,ホロヴィッツというピアニスト達が活躍。ジャン・フルネ指揮で演奏会。
ベルリンではクナッパーツブッシュ指揮でベルリンフィルと協演。

結婚してからは一主婦として元外交官の夫に仕え,演奏活動からは全く離れたが,夫の死後,還暦を過ぎてから,バッハの無伴奏ソナタとパルティータ全曲を録音として残した。

[目次]
第1章 天才少女
第2章 ブリュッセルに二年、パリに六年
第3章 戦雲の下で
第4章 花形ソリスト
第5章 近道なき道
第6章 バッハ、無伴奏ソナタとパルティータ

この本が出てから,CDも発売され,またNHKに全盛期の録音が残っていたことが報道された。根自子の演奏はAmazonなどで試聴できる。
生前にこの本が出なかったことが惜しまれる。

死出の田長2013年06月11日

昨日も,北鎌倉で良く鳴いていましたが,自宅では早朝からホトトギスが激しく鳴き続けています。

ホトトギスは異称を「死出の田長:しでのたおさ」とあり、死出の山から来て鳴くからとか、「賤(しず)の田長」の転ともあります。
古今和歌集に「いくばくの/田を作ればか/ほととぎす/しでのたをさを/朝な朝なよぶ」とあるそうで、鳴き声を「しでのたをさ」と聞きなしていたようです。

山にこだますような声で激しく鳴くホトトギスに,いにしえ人は何を感じたのでしょうか。

ウェンガーのアーミー・ナイフ2013年06月13日

ウェンガーのアーミー・ナイフ
先日四十九日が済んだ義母の遺品を家内が整理をしていたら,先に亡くなった義父に上げたアーミーナイフが出てきた。もっと多種類のチャンピオンというのを買ったので,義父にそれまで使っていたこれを上げたのでした。
義父は鉄道技師で,技術には明るかったので,私がたまたまポケットに入れていたこの小型アーミーナイフを見て,いたく感心したのでした。良く見掛けるヴィクトリノックスではなく,ウェンガーのものです。

戻ってきたナイフは,茶色いシミが沢山付いていて,開くことも出来なくなっていました。洗ってオイルを注し,掃除をしながら考えてみました。そうか,義父は長く入院していて,そこで亡くなったのでした。このナイフに付いている缶切りが非常によく切れるのを感心していました。病室に持って行って,缶詰を開けたのかもしれないなぁと,ふと思いを巡らせてしまいました。義母の亡くなった今,もう知る由もありませんが。

#また,私が使うことになりました。これを使う時に,仕事一途で,やっと休めるかなと云うときに癌で逝った義父を思い出すことにします。

江戸歩き・浅草2013年06月15日

ドジョウ鍋
幼なじみ4人で「江戸歩き」。
計画はすべて親友C君の発案。もういつも全部おまかせ。(^_^;)
11時に「都営浅草線浅草駅」改札口に集合、 → 観音通り → 浅草寺伝法院前 →

伝法院の庭は何かイベントでもないと中を観ることができないそうだ。浅草にもこんなに静かで自然味溢れたところがあるのか,というくらいに静かで素晴らしいところ。
焼夷弾の猛火から鎮護堂を守ったオオイチョウ がある。
伝法院脇の鎮護堂。右に二体のタヌキ。今戸焼きだろうか。明治の始め,境内で悪さをするタヌキを鎮めるために建立したとのこと。人をだますことに因んで幇間塚がある。

→ 浅草六区 → 合羽橋商店街本通り
合羽橋商店街からはスカイツリーはすぐそこの様に見える。
食品サンプルは,ここまでそっくりになったかという驚き。外人客多し。お土産に人気とのこと。

→ 合羽橋道具街通り→ 池波正太郎記念文庫「時代小説展(江戸を読む)」閲覧。
台東区・中央図書館には,池波正太郎記念文庫がある。池波ファンなら一度はおいで,は~どっこいしょ。執筆していた書斎をそっくり再現してある。蔵書を閲覧できる。江戸時代を知るのに必要な貴重な本が沢山あるのに圧倒される。

→ 合羽橋道具街通り → 矢先稲荷神社 → 合羽橋道具街通り から「駒形どぜう」へ。
一階はお座敷。本来はあぐらをかいて食べるもの。今回は2階の椅子席へ。この方が楽。
「お通し」にジュンサイ。夏でげすなぁ。
ビールの後は「どぜう」限定,伏見の酒・生絞り原酒。
「まる」と「抜き」,それに「柳川」の三種を4人でつつく。「まる」も骨が柔らかで,まったく問題なし。ドジョウがこんなに美味いとは。
食後,再び周辺を散歩。

捕鯨船という店。浅草の芸人が良く来るという酒場。親友はここでクジラは食わずに「煮込み」を頼むと云う。ただの牛スジ煮込みらしいが,これが美味いそうだ。

喫茶店でコーヒー。T夫人は今年キューバへ娘と行ってきた。ツァーではなく自分たちで計画したとのこと。珍しい現地通貨3ペソを見せてもらった。エルネスト・チェ・ゲバラの肖像画が紙幣に。旅行者は旅行者用の通貨を使うのだそうだ。レートは35倍くらい高いらしい。次はボリビアに行きたい,というので,もしかしたらゲバラのファン?
その後も,又散歩。

以前も「江戸歩き」仲間で行った大衆演劇・木馬館。これが実に面白い。親友C君と以前に行ったことがある銭湯・蛇骨湯。湯はコカコーラの様な色。懐かしい。

用事が あるH君とT夫人は先に帰り,喉も乾いたし,小腹が空いてきたので,C君と生ビールを。安いので助かる。
家に帰ったらもう23時になっていた。

#幼なじみと一日過ごす。こんな楽しいことはない。

メバチマグロの漬丼2013年06月16日

メバチマグロの漬丼
家内の手料理,鈴木水産で求めたメバチマグロのアラで作った漬け丼。 本マグロのもちもち感よりも,メバチのちょっとぬるっとした食感が好き。 アラだから値段は知れているが,実に美味い。尻尾の方が多いので,ちょっと筋っぽいが,そこはそれ,何しろ安いから・・(^_^;) 酢飯にしたので,東丼ではありません。酢飯もなかなか良いですねぇ。 #生シラス丼だって,生シラスは外で食べればほんのちょっぴりらしい。地元で\500も買えば,二人で余る位たっぷり盛って食べられる。ありがたいことだ。

ダマスカス模様の包丁2013年06月17日

先日の江戸歩きで,合羽橋道具街の刃物屋さんに寄りました。外人さんばかりで,店にも外人さん専門の外人さん店員がいるのです。

同行者を待たせて店の人と話し込んでしまいました。
ダマスカス模様の包丁を良く見たかったのです。すかさずお店の人が「どうぞお手に取って」と勧める。
店員は詳しく説明してくれて,今はステンレスの刃物の方が,鋼よりも高いとのこと。どうしてかというと,今刃の中心になる鋼材には,武生特殊鋼材でしか作れないVG10(V金10号)というクロムが15%にバナジウム0.3%程度の鋼材が旬なのだそうだ。それに装飾的な数十層のステンレス材で包んだ「ダマスカス」模様の包丁が人気とのこと。素人ですというと,ではこれなんかが良いかもと,数種類見せてくれた。柄が溶接かリベットかの違いとか,そのメリット,デメリットも良く聞いたので,とても参考になった。

料理は良くやるので,それほど高いものではないので(この店の無印が安価で良さそうだ),いつか手に入れてみたいなと思った。店の名刺をくれたので,浅草に行ったら,また寄らせてもらおう。

#本物のダマスカス刃物は200年前に製造法が途絶え,今や幻の刃物。おそらくバナジウムが枯渇したためと云う。もともとはインドの鋼をダマスカスで鍛えたことによるそうだ。→Wikipedia

読み終えた本「神は妄想である」 リチャード・ドーキンス2013年06月19日

「神は妄想である」
読み終えた本「神は妄想である」
リチャード・ドーキンス 早川書房

米国では進化論を信じている人は総人口の10%未満であるという調査があるそうだ。その米国が仕掛けたイラク戦争により,イスラムを敵に回してしまった。ブッシュのようなキリスト教原理主義者が大統領になる国,中絶医が原理主義者に射殺される国の,宗教や神の存在を疑う人に,ドーキンスは勇気を与えたかったからこの本を書いたのではないのか。

章立てとメモ。

第一章 すこぶる宗教的な不信心者
 私は人格神を想像しようとは思わない。世界の構造が私たちの不完全な五感で察知することを許してくれる範囲で,その前に立ち,畏怖の念に打たれるだけで十分だ。 アルバート・アインシュタイン
P11
米国では「イマジン」の歌詞「宗教もない」というところを削除して演奏することがある(らしい)

第二章 神がいるという仮説
 一つの時代の宗教は,次の時代の大衆文学である。 ラフル・ウォルド・エマーソン
P64
米国は建国の初期には,トリポリ条約(1797年)において,米国はキリスト教の上に築かれたた国家ではない,と明言していた。
P68
「キリスト教はこれまで人類に投げかけられたもっとも倒錯した体系である」(トーマス・ジェファーソン)
「灯台のほうが教会よりも役に立つ」(ベンジャミン・フランクリン)
「もし宗教さえなければ,この世界は,およそ考えられるあらゆる世界のなかで最善のものであったろう」(ジョン・アダムズ)
P73
ナポレオンがラプラスに対して,神に言及することなくこの本をどうして書き上げることができたかと不思議がったとき,ラプラスは「閣下,私はそのような仮説を必要としなかったのです」と述べたという。おそらく「天体力学概論」のことと思われる。

第三章 神の存在を指示する論証
 神学の教授が,われわれの憲法に占めるべき場所はない。 トマス・ジェファーソン
P158
バートランド・ラッセルは,もし彼が死んで気がついたら神の前に立っていて,ラッセルがなぜ神を信じなかったのか理由を知りたいと要求されたらどう答えるかという質問を受けた。ラッセルの答えは「証拠が充分でなかったのですよ,神様,充分な証拠がなかったからですよ」というものだった。

第四章 ほとんど確実に神が存在しない理由
 さまざまな宗派の聖職者たちは,・・・・科学の進歩を,魔女が陽の光の到来を怖れるように怖れ,自分たちの生業を成りたたせている詐術の一部を手放さなければならないことを告げる致命的な予兆に顔をしかめる。 トマス・ジェファーソン

第五章 宗教の起源
 時間・痛み・困窮というコストをともなうにもかかわらず,普遍的に見られる過剰な宗教的儀礼は,進化心理学者にとって,マンドリルの赤いお尻のように鮮やかに,宗教が適応的なものであることを示すものであるにちがいない。 マレク・コーン
P293
geneに対してmeme(ミーム)というものを提唱している。ミームとは人々の間で心から心へとコピーされる情報のことであり、習慣や技能、物語といった人から人へコピーされる情報で,「進化」することにより,文化を形成する。
P296
モルモン教(末日聖徒イエスキリスト教会)はまったくのでっち上げであると切り捨てている。
P298
カーゴ・カルトの説明にアーサー・C・クラークの第三法則「十分に進んだテクノロジーは魔法と区別がつかない」を引用し,ニュー・ヘブリデス島の「カーゴ・カルト」(今まで観たことのない船や飛行機の積荷を超自然的なものとする宗教)を紹介している。救世主の名をジョン・フラムと云い,いつかまた戻ってくると信じられている。

第六章 道徳の根源 ---なぜ私たちは善良なのか?
 奇妙なのは,ここ地球上における私たちの状況である。私たち一人一人は,わけも知らないまま,束の間のこの星に滞在するだけだが,ときには,目的を察知しているかのように思われる。けれども,日常生活の観点からすれば,私たちにわかっていることが一つだけある。すなわち,人間はほかの人々のためにここにいるということである。----とりわけ,その人たちの笑みと安寧に,私たち自身の幸福がかかっている人々のためにである。 アルバート・アインシュタイン
P330
「宗教は人間の尊厳に対する侮辱である。宗教があってもなくても,善いことをする善人はいるし,悪いことをする悪人もいるだろう。しかし,善人が悪事をなすことには宗教が必要である」(スティーヴン・ワインバーグ)

「人間は,宗教的な確信をもっておこなっているとき以上に,完璧かつ快活に悪をなすことはできない」(ブレーズ・パスカル)

第七章 「よい」聖書と移り変わる「道徳に関する時代精神(ツァイトガイスト)」
 政治は何千人も殺してきたが,宗教はその何十倍もの人間を殺してきた。 ショーン・オケーシー[1881-1964 アイルランドの劇作家]
P365
イエスははっきり「旧約聖書」と決別し,たとえば安息日の掟を破ることについての怖しい警告を諌めた。「安息日は人間のためにつくられたが,安息日のために人間がつくられたのではない」と。イエスは当時としては卓越した道徳観を持っていた。「人もし汝の右の頬を打たば,左おも向けよ」は,ガンジーやキング牧師を2000年先取りするものである。
P384
無神論者の新十戒
・自分がしてほしくないと思うことを他人に対してするな。
・あらゆる事柄において,人を傷付けないように務めよ。
・あなたの仲間である人類,あなたの仲間である生物,そして世界全般を,愛,親切,誠実および敬意をもって扱え。
・悪を見逃さず,正義を執行することにひるむな。しかし,進んで認め,正直に後悔しているならば,いつでも悪事を許す心構えをもて。
・喜びと驚きの感覚を持って人生を生きよ。
・つねに何か新しいことを学ぶように務めよ。
・あらゆる事柄を検証せよ。つねに,あなたの考えを事実に照らしてチェックし,どんな大切な信念でも,事実と合わなければ捨てる心構えを持て。
・けっして反対意見を検閲したり,耳を傾けることを拒絶したりしてはならない。つねに他人があなたに反対する権利を尊重せよ。
・あなた自身の理性と経験をもとにして独立した意見をつくれ。むやみに他人の意見に導かれることを許してはならない。
・あらゆることに疑問を発せよ。

これらに加えて,
・あなたの性生活を(ほかの誰にも危害を及ぼさないかぎり)楽しみ,他人が個人的に楽しむのを,それがいかなる性癖であろうと,ほうっておくこと。それはあなたに関係のないことだから。
・性別・人種・あるいは(可能な限り)生物の種のちがいをもとにして,差別や抑圧をしない。
・子供を教化しない。子供には自分で考える方法,証拠を評価する方法,あなたに異議を唱える方法を教えよ。
・未来を自分の持つ時間のスケールよりも大きなスケールで評価せよ。

第八章 宗教のどこが悪いのか?なぜそんなに敵愾心を燃やすのか?
 宗教は実際に,毎日毎秒あなたのするすべてのことを観察している目に見えない--天空で暮らしている--人間が存在すると人々に信じ込ませてきた。そして,その目に見えない人間は,あなたにしてほしくない10の事柄の特別のリストをもっている。そしてあなたがその10のうちのどれかをおこなえば,彼は火や煙,灼熱,拷問,苦悩などに満ちあふれた特別の部屋をもっていて,あなたをそこへ生きたまま送り込み,時の終わりがくるまで永久に苦しめ,焼き焦がし,息を詰まらせ,泣き叫ばせる・・・だが,彼はあなたを愛しているのだ! ジョージ・カーリン[グラミー賞を受賞した米国のコメディアン]
P423
チューリングは同性愛が犯罪であると有罪(1954年)になり,自殺した。ドイツのエニグマ暗号の解読に貢献したにも関わらず。

第九章 子供の虐待と,宗教からの逃走
 どの村にも,灯りをともす教師と,灯りを消していく聖職者がいる。 ヴィクトル・ユーゴー

第十章 大いに必要とされる断絶(ギャップ)?
 100インチ望遠鏡を通してはるか彼方の銀河をのぞきこむ。一億年前の化石や50万年前の石器を手にもつ。グランドキャニオンのはてしない空間と時間の深淵の前に佇む。あるいは宇宙創造の様相をじっと凝視して瞬きもしない科学者の言葉に耳を傾ける。そういうこと以上に,魂を揺さぶることができるものが何かあるだろうか? これこそ深く聖なる科学なのだ。 マイケル・シャーマー

読み終えた本「人斬り以蔵異聞」2013年06月21日

人斬り以蔵異聞
読み終えた本「人斬り以蔵異聞」
仁井田 明 文芸社 2010年

新聞の書評で知ったのかも知れない。忘れてしまった。100頁あまりの短編。
岡田以蔵については,ずっと気になっていた。
「龍馬伝」では,武市半平太をかばって,最後まで口を割らなかったように描かれたが,調べてみると実際は弱虫で,武市にもバカにされるほどだった。女でも耐えた拷問にも泣きわめいたという。

なお,「人斬り」という呼び名は,後世の作という。司馬遼太郎の「人斬り以蔵」(まだ読んでいない)では,獄中の以蔵を,口封じのため武市が毒殺しようと計ったとあるが,計画はあったらしいが,武市等は押しとどめたらしい。

以蔵は腕を見込まれ,勝海舟やジョン万次郎の警護に当たったことは史実。

著者は教師を長く勤めた人のようで,土佐の出身。本書の以蔵像は,やや理想化されているようだ。土佐勤王党瓦解後,京都で捕らえられて,土佐に送られ,牢で拷問,自白を迫られる様子を書いている。史実にはない(と思われる)脱獄劇があり,再び捕らえられたという設定。

自白により同士を売ったため,維新後も顕彰される事がない。作者は歴史に翻弄され,未だに浮かばれないであろう以蔵に光を当てたかったのかもしれない。

コガネグモ2013年06月22日

コガネグモ
YRP水辺公園,早朝探鳥会で見つけたクモの巣。調べてみるとコガネグモらしい。ナガコガネグモは沢山いるが,コガネグモは少ないかもしれない。

2か所のはっきりした白帯が目立ちます。

#携帯で撮った写真なので,上手く撮れていませんが・・